政府の赤字と国民の黒字がほばトントンだし、借金を有効に使えばいいはずですよ。
目次
円で国債を発行している限り返済不能にはならない
政府の収入(主に税収)よりも支出(国家公務員の人件費、社会保障費、防衛費など)が上回っているのが財政赤字です。
そのぶん政府は借金をしていて、その証文が国債というわけです。
財務省の資料によると、、2018年度末の日本政府の借金である公債残高は約883兆円と見込まれていて、国民一人当たり約700万円になります。
(もちろん、このほかに地方自治体の借金もあります。)
このような巨額の財政赤字は大変な問題なのかというと、実はそうとも言い切れません。
経済学的には赤字は必ずしも悪ではないのです。
そもそも、これは政府の借金であって、あなたの借金ではないのです。
よく「国の借金」と言いますが、その言い方は国民と政府を同一視するようで好ましくありません。
極端な話、あなたが外国籍を取得して外国に移住してしまえば、日本政府の借金とは関係が無くなります。
政府の財政赤字が問題になるのは、第一に、政府が借りた金を返せなくなる恐れがあるのではないかというものです。
歴史上、いくつかの国が返済不能(デフォルト)に陥っています。
しかし、それは外国通貨で国債を発行している場合であって、日本政府が円で国債を発行している限り、返済不能に陥ることは原則的にありえません。
政府は国債償還に必要な分だけ、いつでも増税できるからです。
最後の手段ですが、円紙幣をどんどん印刷して、返済にあてることも不可能ではないのです。
もちろん、円の価値が下落し日本がインフレに見舞われる危険性と引き換えにです。
政府の借金がかさむと、国全体が貧乏になったような錯覚にとらわれるかもしれません。
しかし、今のところは日本国債を買っているのは主に日本人だから、政府の借金分だけ国民の金融資産が増えていることになります。
政府の赤字と民間の黒字を突き合わせれば、だいたいトントンになるのです。
借金を有効に使えばいい
二つ目の批判は世代間の負担分担の問題です。
国債の償還のために将来増税がおこなわれたとすると、現在の世代が借金して豊かに暮らしたツケを、将来の世代に負わせることになるのではないか。
現世代が借金を無駄に使って次世代に何も残せなかったとしたら、そういう可能性が無いとは言えません。
しかし、借金を有効に使って次世代に豊かで暮らしやすい社会を残すことができれば、必ずしも恨まれることはないでしょう。
ただし、ここまでは経済学の原則論です。
国債の発行によって得たお金を日本政府が将来の日本のために有効に使ってきたかというと、お世辞にもそうとは言えないでしょう。
人気取りのためにばらまいて今後に生かされない支出がいろいろあります。
その場しのぎで借金を重ねてきたツケを将来世代に負わせるのはやはり酷というものです。
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