負担増を軽減税率でやわらげるというが、厄介な問題もある。
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延期された消費税増税
1989年に3%の税率で導入された消費税は、1997年に5%、、2014に8%に引き上げられた。
2015年の10月に10%に引き上げられる予定だったが、経済の調子がよくないという理由で繰り返し延期された。
現在のところ、2019年の10月に引き上げが予定されています。
なぜ消費税が増税されるかというと、日本政府の財政赤字を改善するためです。
財政赤字の改善は最終的には増税によることになりますが、所得税などに比べて消費税は脱税がしにくいので徴税上のメリットがあります。
しかし、、消費税が増税されると当然ながら消費者はあまりモノを買わなくなるので景気に悪影響を及ぼします。
日本の景気がなかなか上向かない時に増税は難しいというので10%への引き上げが延期されたという経緯がある。
軽減税率で低所得者へのダメージは減らせるか?
10%への引き上げに関連して議論されているのが軽減税率の問題です。
もともと消費税は低所得者の方が所得に占める負担が大きい。
高所得者は収入の一部しか消費に回さなくても済むのに対して、低所得者は所得の多くを消費に回さなくてはならないからです。
低所得者へのダメージを減らすために生活必需品などの消費税率を低くするのが軽減税率です。
実際に、生鮮食料品などの税率を低くしている国は少なくない。
しかし、ここにはやっかいな問題があります。
軽減税率の対象とする商品とそうでない商品の線引きによって不公平感が出てきてしますのです。
例えば、、「生鮮食料品は軽減税率、加工食品は通常税率」とした場合、金持ちしか買わない一個一万円の高級メロンが軽減税率、庶民が買う一個百円のカップ麺が通常税率となる。
これは釈然としないのでなないだろうか。
日本では、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週二回以上発行される新聞」に軽減税率を適用する予定です。
しかし、コンビニで弁当を買って、持ち帰るなら軽減税率(8%)、店内のイートインコーナーで食べるなら10%というのは違和感のあるところです。
また、線引きは役人や政治家が決めるので、自分の扱う商品を軽減税率の対象にしてもらおうと役人や政治家に頭を下げたり取り入ったりする人がでてくるし、政治家や役人にとってはそれがうまみとなります。
いっそ軽減税率をやめてしまって、消費税の負担がきつい低所得者に対しては別途お金を給付する方がシンプルです。
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