需要と供給が一致したところで価格が決まると、買い手も売り手も余らない。
目次
均衡価格は効率的
市場というのは、たいへん効率のいい取引システムとして完成されています。
これは、需要と供給が一致するところで売買が成立するため、売り手も買い手も余らないという状態が生まれるからです。
市場を通すことによって、資源が効率的に配分されます。
自由競争では、価格は需要と供給が一致したところに決まります。
この価格を「均衡価格」または「市場価格」といいます。
均衡価格では、商品はその価格で買いたい人全員に行き渡るし、その価格で売りたい人全員が売り切ることができます。
均衡価格より高くては買い手より売り手の方が多いので、売り手が余ってしまいます。
逆に均衡価格より低いと、買い手が余ってしまいます。
売り手にも買い手にも余りを出さない点で、均衡価格による取引は効率的なのです。
消費者余剰と生産者余剰
また、均衡価格が100円だとして、買い手の中には、たとえ150円出してもその商品が買いたかったという人もいるでしょう。
そういう人が100円で買えた場合、その人は50円の特をしたのだと経済学は考えます。
この買い手が得したとされる分を「消費者余剰」といいます。
一方、売り手の側にも、70円で売ってもよかったという人もいるでしょう。
それが100円で売れるのですから、こういう人にとっても100円という均衡価格は30円の得となります。
買い手の得と同様に、売り手が得した分を「生産者余剰」といいます。
市場で取引している全ての消費者の消費者余剰と市場で取引している全ての生産者の生産者余剰を足し合わせると、その合計は均衡価格の時に最大となります。
つまり、市場の生産者全員の「得」の方系が一番多くなります。
その意味で、市場取引は効率的なのです。
ただし、その効率性は放っておけば勝手に実現するものではありません。
例えば、売り手が独占業者の場合は売り手の側で競争が無いので、買い手が高い価格を押し付けられることがあります。
そうなると消費者の手に残るべき余剰が生産者の懐に入ってしまい、、公正な分配が損なわれてしまいます。
そんな時は、自由で公正な競争を確保するために政府が規制する必要があります。
かといって政府の介入を大幅に許すと、今度は政府の役人や政治家がそれを隠れ蓑にして私腹を肥やすこともあります。
効率性の実現は一筋縄ではいかないのです。
コメントを残す