シグナリングとは自分の商品の品質を証明し、なおかつ悪徳業者が真似できない行為。
正直な業者と悪徳業者の区別が消費者には難しい。
正直な業者はそれを知らせる工夫をしています。
目次
正直な業者は偽装のとばっちりを受ける
公正な取引が行われるてめには、売り手と買い手がその商品やサービスについて十分な情報を共有していることが必要です。
しかし、実際には、売買される商品について売り手はたくさん情報を持っているが、買い手はごく限られた情報しか持っていないのが普通です。
これを経済学では「情報の非対称性」といいます。
悪徳販売業者はそれを利用して消費者を騙そうとします。
同じ肉でもブランド肉であれば高い値が付くが、そうでないものはずっと安く売買されます。
しかし消費者は必ずしもきちんとブランド肉とそうでない肉を見分けられないので、悪徳販売業者は安く仕入れた肉の産地や品質を偽装してブランド肉と見せかけて売りに出します。
ながい物を売りつけられる消費者はたまったものではないが、正直な販売業者もとばっちりを受けます。
なぜなら、消費者は悪徳販売業者と正直販売業者の区別が必ずしもつかないので、全部の販売業者を疑いの目で見るしかないからです。
その結果、書時期販売業者の売上も落ち込んでしまいます。
こんな時は政府の出番であって、きちんと取り締まってもらわなくてはいけませんが、実際はいたちごっことなっていまい、根絶は難しい。
こそで正直な業者は自衛を迫られるのです。
よくあるのが産地や生産者やブランドを表示するシールを商品に貼ることですが、このようなシールもまた偽造されたり、正規のシールが横流しされたりします。
シールの偽造は安上がりなので、歯止めが利きにくいのです。
「シグナリング」とは
中古車販売業界を見てみましょう。
中古車は新車と違って品質にばらつきがあるが、素人の消費者がそれを見極めるのは難しいです。
それをいいことに、悪徳中古車販売業者は悪い中古車を「これはいい中古車ですよ」と偽って高い(不当な)価格で売ろうとします。
一方で良心的な中古車販売業者は、本当にいい中古車を「これはいい中古車ですよ」と高い(適正な)価格で売ろうとします。
困ったことに、消費者からみると、悪徳業者も正直業者も同じことを言っていて区別がつかないので、不良品をつかまれるリスクを負ってまで高い中古車を買おうという気にはならない。
その結果、よい中古車を適正な価格で売るというビジネスは成り立たなくなってしまします。
そこで、正直業者がとるのが「保証を付ける」という販売方法です。
例えば、販売後の一年間は無料で修理することを約束します。
この方法が効果的なのは、正直業者の中古車は故障しにくいので保証を付けてもコストがあまりかからないけど、悪徳業者の中古車は故障が多いので保証を付けたらコストがかさんでしまうため、シールと違って簡単に真似ができないことです。
正直業者の保証のように、自分が売ろうとしている商品の品質に間違いがないことや、相手を騙すつもりがないことを証明し、なおかつ悪徳業者が簡単には真似ができない行為を「シグナリング」と言います。
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