現在の制度では、若い世代は自分が支払ったお金よりも少ない年金しかもらえないことになる。
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公的年金制度は回らなくなる
老後にはお金の備えが必要だが、、だれもが若いうちから計画的に備えられるわけではない。
そこで政府が介入して、老後に定期的にお金が支払われる仕組みを作ったのが公的年金制度です。
公的年金には、「積み立て方式」と「賦課方式」があります。
積み立て方式は、若い頃に自分たちが積み立てたお金を老後に受け取る仕組みです。
これなら、人口構造が変化しても支払いができなくなることはありません。
日本は年金制度が始まった当初は積み立て方式をとっていました。
それが後に制度が変わって「修正積み立て方式」と言われるようになり
今ではさらに変更されて基本的には賦課方式になっています。
賦課方式とは現役世代の払う保険料をそのときリタイアしている世代の年金に回す方式です。
この方式は、年金をよほど減額しない限り日本のように少子高齢化が進んでいく社会では回らなくなります。
年金を受給する人が増えて、そのお金を払う現役世代がどんどん減っていくからです。
ところが日本政府は今の年金受給世代に対して、現役世代の払う保険料で賄えるよりもはるかに高額の年金を約束してしまっています。
将来の支払いに必要な積立金との差額(積み立て不足)はすでに数百兆円に及んでいるとも言われています。
税と年金の一体改革を
どうしてこんなことになってしまったかというと、ひとつには1970年代以降に、自民党政権が人気取りのために高齢者への大盤振る舞いを始めたからです。
本人が支払ってきた保険料の何倍もの年金を約束してきたのです。
その結果、上の世代は自分が現役時代に支払ったお金よりもかなり余分に年金をもらうことができるが、今の若者は自分が支払ったお金よりも相当に少ない年金しかもらえない計算になったのです。
これはあまりにも不平等です。
まともに年金の管理をしていなかった旧社会保険庁や、かつて積立金が潤沢だったときにそれが自分のお金であるかのように天下り先の特殊法人に垂れ流したり、全国に無駄な巨大施設を建設したりした厚生省(現厚生労働省)の罪は重いです。
ではどうしたらいいのでしょうか?
根本的な改革ができるなら「税と年金の一体改革」が望ましいのです。
現在すでに、国民年金の保険料を払っていない人は約40%にのぼります。
(5%が免除されている人、35%が免除されず払ってもいない人)
保険料を払うべきなのに払っていない人には老後に年金が支払われないことになっているが、その人たちが生活に困ったとき
「それは自己責任だから勝手に飢え死にでもしてください。」と近代国家が付き話せるわけがありません。
そうして結局は生活保護などで救済することになるでしょう。
生活保護は税金で賄われるから税金にしわ寄せがいく。
それなら最初から年金と税金をまとめて一本にした方がすっきりする。
保険料を徴収する組織も国税庁や税務署と一本化すれば効率的だ。ってことになります。
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