「値上げしないほうが儲かる」という場合もありうる。
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なぜ高くしないのか?
買い手はなるべく安く買おうとして、売り手はなるべく高く売ろうとするのが経済活動の原則です。
しかし、もっと高く売ろうと思えば売れるのにそうしない売り手がいます。
例えば人気アーティストのコンサートのチケットです。
チケットを売り出せば即完売というようなアーティストは、今の値段の2倍か3倍で売ってもたぶん売り切れるでしょう。
たっだらなぜそうしないのか。
みすみす儲けのチャンスを逃すのは経済原則に反するのではないか。
もしかするとアーティストは経済原則の外で生きていてお金を持っているファンだけではなく、お金の無いファンにも来てほしいということで安くしているのかもしれません。
しかし、もしかするとチケットを値上げしないほうが、最終的には儲けが大きくなると見込んでいるのかもしれません。
せちがらい考え方ですが、そういう仮説を持って世の中を見渡すのが経済学的思考というものです。
人気商売の計算
実際にこの問題についてはいくつかの仮設があるが、、ひとつ言えるのは、野菜や魚のような商品と違って、コンサートのチケットはそのときどきの需要と供給に応じて高くしたり安くしたりしにくいということです。
アーティストは人気商売だから、今は人気があっても、いつ落ち目になるかわからない。
人気がある時に調子に乗って値上げすると、人気が落ちた時に客が入らなくなる。
その時に値下げするのはいかにもみっともない。
だからそもそも値上げがしにくいのかもしれない。
ちなみに、テレビや映画に出演するときの俳優のギャラは、デビューしたては安いけれども、、人気が出てくるとだんだん高くなる。
大御所になれば驚くほど高額なギャラが支払われる。
では人気が落ちたらギャラも下がるかというとそうでもなくて、なかなか下がりにくいようだ。
需要と供給の関係からいうと当然下がるはずだが、俳優にもプライドがあるだろうし、なにしろそれが芸能界のしきたりらしい。
使う側のテレビ局にすれば、ギャラが高い割に視聴率がとれない俳優は使いにくいので、さっぱりお呼びがかからなくなって今います。
人気が出たからといって強気で高額のギャラを要求するのも考えものなのです。
他のアーティストの2倍も3倍もするチケットを売ろうとするなら、それが人気にどう影響するかも考えなくてはならない。
お金儲けに走っていると見られると評判を落とすことになりかねません。
お金に余裕のあるファンはコンサート会場でTシャツやタオルなどのグッズをいろいろ買ってくれるので、チケットはなくても物販で儲けることができるという側面もあります。
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