まったくの自由放任では独占や寡占が生まれて消費者が損をすることになる。
静fは不当な価格操作など、競争を阻害する要因を取り払わなければならない。
目次
競争がないと価格は高くなる
企業は自社の商品が高く売れることを望んでいます。
それがうまくいかないのは競争があるからです。
自分だけ高い値札をつけても、他の企業がもっと安く売っていれば自分の商品はさっぱり売れません。
しかし裏を返せば、その商品に競争相手がいなければ、多少は高くても消費者は買ってくれるということでもあります。(買わざるおえない)
その商品を作っている企業が一社しかない状態を「独占」と言います。
独占ならば、かなり自由に価格が設定できるが、それにも限度があります。
たとえば、ある国に鉄道会社がひとつしかなくて、運賃を高く設定したとしましょう。
一方でバスやタクシーや航空会社が競争していて運賃が安ければ、乗客はそちらに流れるので、目論見通りにはいきません。
独占や寡占は消費者の損
ひとつの市場に一社だけというのが独占だが、一社ではないけれども企業数がごく少ない場合を「寡占」と言います。
企業がたくさんあればせっせと競争してくれるのだが、数が少ないと価格が横並びで高止まりすることがある。
企業経営者にしてみれば、しのぎを削るような競争は気が抜けなくてとても疲れるので、楽に儲かるならそうしたいというのが本音だろう。
企業の数が少ないと、各社がなんとなく示し合わせて価格競争を放棄し、横並び価格で売ることがやりやすいのです。
明示的に価格協定を結ぶと「カルテル」といって独占禁止法違反になります。
日本の政府機関の公正取引委員会が目を光らせているし、カルテルは文章などの証拠も残りやすいのでなかなかそこまで踏み込めません。
あくまでお互いのあうんの呼吸でえやるところがミソです。
身の回りを見渡してみれば、どの企業も同じような価格で売っているモノやサービスは意外に多いです。
大型家電量販店で、表示価格はそれほど安くないけど「他店でもっと安い価格のところがあれば同じ価格まで値引きします。」と付記されていることがあります。
競争心が満々で結構に見えますが、これには競争相手に向けた暗黙のメッセージが込められているのかもしれません。
「うちからは価格競争は仕掛けない。でもおたくが価格競争を仕掛けてきたらうちも対抗するよ。お互い価格競争はほどほどにしておこうよ」というわけです。
人間の利己心や競争が効率的な資産配分をもたらすという経済学の法則は、まったくの自由放任で簡単に実現するものではありません。
競争を阻害する要因を取り払うための法制度や政府の介入が不可欠なのです。
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