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市場で価格が決まる
たいていのモノは、価格が高くなれば買い手が減って売り手が増える。
価格が低くなれば買い手が増えて売り手が減るようになっています。
では、どのようにして価格はきまっていくのでしょうか。
経済学は、その価格で買いたいという人と売りたいという人の数が揃ったところで価格が決まるとみなします。
例えば、一つの広場にトマトを買いに来た人と売りに来た人が、多数集まっていたとします。
経済学はこの広場を「市場」といいます。
市場にはもう一人、競(せ)り人と呼ばれる人がいます。
競(せ)り人は、トマトの取引価格を提案するのが仕事です。
買いに来た人は、競(せ)り人が提案した価格で買ってもよければ手を挙げます。
売りに来た人は、その価格で売ってもよければ手を挙げます。
競り人がまず「80円」と提案します。
すると80円で売りたい人が90人、買いたい人が130人が手を挙げます。
買いたい人の数が上回っています。
次に競り人は「120円」と提案します。
すると120円で売りたい人が110人、買いたい人が85人が手を挙げます。
今度は売りたい人の数の方が多いです。
さらに競り人は「100円」と提案します。
すると売りたい人も買いたい人も100人ずつで数が揃いました。
そこでトマトの価格は100円に決定します。
実際にはトマトの価格を決めるためにみんなが広場に集まったりはしません。
けれども、こんな風に考えるとうまく説明できますよ、ということです。
自由競争のもとでは、市場において、売り手と買い手の数が等しくなるところに価格は決定します。
また、それが最も合理的で無駄がない、というのが経済学の教えです。
価格は需要と供給が一致するところに決まる。
経済の話には、よく「需要」と「供給」という用語が出てきます。
需要はその価格で買いたいという数の合計、供給はその価格で売りたいという数の合計と考えるとよいのです。
先ほどの結論を言い換えるなら、価格は需要と供給が一致するところに決定するということになります。
もちろん、現実の世界では需要と供給が一致していないこともしばしばあります。
先ほどの例はあくまで「モデル」であって、理想的な状況だったらこうなるはずだということを示しています。
モノの価格の決まり方の原則はこうだということをまずは覚えておいてください。
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