売り手と買い手がいるから株式市場は成立します。
同じ株を見ても「値上がりする」と思う人は買い手になり、「値下がりする」と思う人は売り手になる。
目次
売り手と買い手が必要
公開されている株式会社の株は市場で売買できます。
市場で売買されるという点では、自動車や消しゴムと変わりません。
ただし、自動車は移動に役立つし消しゴムは鉛筆で書いた字を消すのに役立つのに対して、株券そのものは何の役にもたたない。
では人はなぜ株を買うかというと、それで儲けるためです。
株を持っていると定期的に配当が支払われるので、それが目当てのひとつです。
でも株を買う人の多くは配当よりも株価の値上がりを期待しています。
ただし困ったことに、株価は上がるとは限りません。
買った価格よりも随分下がってしまって困っている人は多いのです。
『なぜ株価は下がることもあるのですか。
株を買った人は、値上がりするまで待てばいいではありませんか。
株を持っている人みんながそうすれば、みんなで儲けられるはずですよね?』
という疑問を持つ人がいます。
確かに誰だって買った価格より安く売りたくはありません。
それでも株価が下がることもあるのはなぜでしょうか。
株式市場が成立するためには、つまり市場で株の売り買いが行われるためには、売り手と買い手が必要です。
買い手は「この価格で買っておけば将来値上がりして利ザヤを稼ぐことができるだろう」と期待しています。
そして売り手は「この株はそろそろ値下がりするかもしれない」と不安に思っています。
売り手と買い手とでは、その株の将来の値動きに関する予測が異なっているのです。
株に価格が付いているということは、強気の人と弱気の人がいるということです。
「この会社の株は値上がりする」と多くの人が予想していれば、株を売る人が少なくなり買おうという人が増えるので価格が上がります。
逆に「この会社の株は値下がりする」とみんなが予想すると、売りたい人ばかり多くて買おうとする人がほぼいないので価格は大きく下がります。
値上がりを全員が待てるわけではない
「なぜ株価は下がることもあるのですか」という質問に戻ります。
誰も株では損はしたくないので、値上がりを待てる人は、ひたすら待ってもかまわない。
これを「塩漬け」といいます。
しかし、第一に、その株をもっと安い時に買った人は大勢いるから、その人たちが「そろそろ売り時だ」と売り出せば、あなたの思惑に関係なく株価は下がります。
第二に、値上がりするまで長く待てない人がいます。
借金して株を買った人は、期限が来たら借金を返すために売らざるをえないかもしれません。
また、他にもっと値上がりしそうな株が見つかれば、そちらを購入する資金を手当てするために「損切り」といって損を覚悟で売る人は少なくない。
自分が買った価格以下では決して売らないと心に決めるのはその人の自由ですが、買い手が現れない限る売ることはできません。
コメントを残す