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品質に自信があることを消費者に堂々と示すのがブランドの役割
私たちがお金を出してモノを買うのは、それを生活や楽しみに使うためです。
例えば、バナナを買うのは食べるためで、テレビを買うのは番組を観るためです。
こうした商品は、、品質が同じなら価格が安いほど需要が増え、価格が高くなると需要が減ります。
そして、欲に目がくらんだ売り手がうかつに高い価格をつけると、もっと安い競争相手に顧客を奪われてしまいます。
高く売るためには、競争相手より品質をよくする必要があります。
しかし、品質の善し悪しは店先で商品を手に取るだけでは伝わらないことが少なくありません。
19世紀の終わり頃、アメリカにプロクターという石鹸メーカーがありました。
当時、石鹸は今のように一個ずつパックされておらず、練り石鹸の状態で、店先で量り売りされていました。
しかしプロクター社は、自社の製品の品質に自信があったので、他社の製品とごちゃ混ぜに安く量り売りされるのが我慢ならなかった。
そこで編み出したのが、現在のような一個ずつの型押しの石鹸です。
加えてそこには「アイボリー」というブランド名も表示し、「きちんとした家庭はアイボリー石鹸を使う」と宣伝したのです。
結果的に、プロクター石鹸は良質な石鹸であるという評価を勝ち得ることができました。
石鹸という商品に初めて「ブランド」の概念が確立したのです。
ブランドの役割は変わりました
このように、ブランドというものには品質を保証する働きがありました。
その保証のおかげで少々高くても消費者が買ってくれたのです。
しかし徐々に時代は移り変わり、少々どころか突出した高値で消費者を引き付けるブランドも出てきました。
こうなると、ブランドは単なる品質保証を超えて「自己満足」や「見せびらかし」の手段へと、その意味を変化させたと言えます。
ブランドが大好きなものは何でも女性に限りません。
権威があるとされる新聞の書評欄に掲載された本全てを毎週書店に買いに来る男性客がいるのだという。
その人にとっては「〇〇新聞」というのが知的なブランドなのです。
そんな権威にすがる中年男性もファッションブランドを身にまとって喜ぶ若い女性も変わるところはありません。
今の世の中、ブランドをまったく気にせずに生きることは難しいのです。
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