宇宙の三大原理②諸法無我・・・人生は因縁によって左右される
原理の第二は「諸法無我」です。
ものを表す一つの言葉が「法」です。
物事には決まりがあるので、それに着目すれば法になります。
「この世はすべて因縁によって決まり、宇宙を支配するような造物主などはないのだ」というのがこの教えですが、これは人生の本質を理解する上で大事なことです。
釈尊はこの世のすべてのことは「因果の法則」によって成り立ち、続き、滅びると観察されました。
因縁とは条件のことで一輪の花が咲くにも、その花が咲く条件がすべて整わないと咲かないのです。
もしその条件の一つでも欠けていると咲かないし、また花がしぼまずにいるのも、しぼんで散るにもそれぞれの条件が必要です。
この因果が宇宙の出来事のすべてに働いて宇宙を動かしているのです。
因縁のうちで「因」を直接の条件とし、間接の条件を「縁」といいます。
米を例にすると稲の種、モミは「因」です。
稲の種、モミがなければ米はできません。
しかし、その種モミを倉にしまっておいたなら、百年たっても芽は出ません。
そこに「縁」という間接の条件が関与するのです。
まずモミを苗代におろし、土や水分、太陽の熱や光が作用して、初めて発芽します。
その後も生産する人々の世話、与える肥料、害虫の駆除、また天候が不順でない、などという条件がすべて満たされないと米はできません。
このような条件は地球規模の天候、はては宇宙に関係しています。
「責めず、比べず、思い出さず、浜松医科大学名誉教授・高田明和」
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