【滅諦(めったい)とは「考えない、思い出さない」こと】
このような苦しみから逃れ、心豊に生きるにはどのようにしたらよいのかということになります。
それが「滅諦」です。
苦しまないようにするには考えないことが大事だ、思い出さないことが重要だと説かれたのです。
中国禅宗中興の祖と仰がれる白隠禅師(はくいん)の法の上の祖父にあたる至道無難禅師(しどうぶなん)は「もの思わざるは仏の稽古なり」と言われました。
私たちが本来もっている清らかな心を自覚する修行は考えないことだというのです。
また、江戸時代に不生禅という独自の禅を説かれた盤珪禅師(ばんけい)は「記憶こそ苦の元なり」と常に言われ、記憶がなければ、思い出せなければ、苦しみも恨みも、さらに苦しみもないのだと説かれました。
「滅諦」にとってもっとも大事なのは「考えないこと」、「思い出さないこと」なのです。
「責めず、比べず、思い出さず、浜松医科大学名誉教授・高田明和」
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