不生の仏心「生まれたままの自分に戻る方法」
本書は、苦しみに満ちている世界、人生において、心が楽になり、生を充実させるにはこうしたらよい、という実践の方法を具体的に示すものです。
これなしに、勝手に本能のまま、欲望のままに生きていれば、必ず苦しむのです。
一見、思いのままに気楽に生きているような人も本心では苦しみ悩んでいるのです。
それが人生というもので、これには例外はないのだということを釈尊は教えられました。
つまり、大切なのは心を正す努力です。
心をどのように正すかというと、心を苦しめないように正すのです。
私たちは幼いころには不眠などはありませんでした。
また食欲不振などもなく、何でも食べられました。
面白いことがあるとそれをやりたがり、楽しさや幸福感で一杯になったものです。実はこれば私たちの本質なのです。
江戸前期の臨済宗の高僧、盤珪禅師(ばんけいぜんじ)は、生まれたままの心を「不生の仏心(ふしょうのぶっしん)」と名づけ、これを維持することがもっとも大事だと言われました。
しかし、私たちはその教えとは逆に、さまざまな社会通念、常識などにより、本来の自分と別な人間になってしまったのです。
生まれたままの自分に帰りましょう。
現実の生活で苦しむだけというのでは、生きている意味がありません。
夜眠れ、朝楽しく起きられ、食べ物もおいしく、ちょっとしたことにも喜びを感ずる本来の心に戻ることです。
「責めず、比べず、思い出さず、浜松医科大学名誉教授・高田明和」
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